ハイパフォーマーは足を引っ張られやすい~成果を共有する仕組みを~

マネジメント・リーダーシップ

ハイパフォーマーは組織に対して多大な貢献をします。
そのため、会社は何とかハイパフォーマーを雇いたいと思うものですが、ハイパフォーマーは同僚に足を引っ張られやすいことも一部の研究で示されています。

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ハイパフォーマーが被る社会的コスト

ミネソタ大学の研究チームは、サロンで働くスタイリストおよび学生に対する心理的実験にて、ハイパフォーマーが被る社会的コストについて調査を行いました。

APA PsycNet

台湾の105のサロンで働きく350人のスタイリストを対象とした調査では、同僚はパフォーマンスの低い人よりも高い人を軽蔑したり、侮辱したり、評判を落としたりする傾向があることがわかりました。
また、協調性の高いチームほど、ハイパフォーマーを酷評する傾向が見られました。
(サロンは、オープンな環境であり、事業をうまく運営するためには個人的にも相互依存的にも働かなければならず、他の組織よりもワークグループと同様の特徴を持っている。)

学生284人を対象とした実験においても、この傾向は再現されました。
学生はチームにわけられ、論理的思考について各種のスキルをテストする課題をこなしました。
チーム内には、コンピューター上のスクリプトで動く仮想のメンバーが一人おり、学生よりもはるかに高いパフォーマンスを出すよう設定がされていました。
その結果、チームのリソースが限られている場合、学生はハイパフォーマー(コンピューターのスクリプト)を脅威に感じ、足を引っ張る行動を示しました。

つまり、人は他人と自分自身を比較して劣等感を抱くと、他人を貶める行動に出やすい、ということが示唆されたのです。

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組織はどうするべきか?

それでは、ハイパフォーマーをうまく活用するために、組織はどうするべきでしょうか?

学生を対象とした実験では、リソースがチームで共有、つまりハイパフォーマーの支援を受けられる状態の場合、チームのメンバーはハイパフォーマーを支持することも同時に示されました。

この結果から得られる示唆としては、ハイパフォーマーを出汁にして競争を促すよりも、ハイパフォーマーによる協力を職場が得られるような文化や体制の方が望ましい、ということがわかります。

ようは、ハイパフォーマーに対して、同僚が脅威ではなく、メリットを感じれば良い、ということです。


優秀な人材を確保することは、多くの企業が苦心をしています。

また、優秀な人材を活用することも、同時に苦心をしている企業が多いです。

運よく優秀な人材がジョインをしてくれたのであれば、競争ではなく協力、脅威ではなくメリットを強調し、促すような組織体制を構築していくことが望ましいと言えるでしょう。

個人としても、自分自身の成果追求のみではなく、チームに対する支援も重視するように行動すると良いと考えられます。

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