衆愚の罠をさけ集合知の力を活用するためには?

ビジネスと心理学

たくさんの人の意見や知識を集めて分析すると、そこからより高度な知性を見出すことができるのが集合知の力です。
しかし、集合知は衆愚(烏合の衆と化した大衆による無定見な状態)に陥るリスクも存在します。
衆愚の罠をさけ集合知の力を活用するためにはどうすれば良いのでしょうか?

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集合知は互いに影響しあう状況で衆愚に陥りやすい

集合知は、個々人が相互に影響しあう状況では、何かのバイアスがかかり、集合浅慮に陥りやすい、つまりはフェイク/デマを信じやすい状況に陥りやすくなります。

さらに恐ろしいことに、人々は自分が信じたい内容のフェイク/デマを信じるだけでなく、そこから「偽の記憶」までを作り出してしまう点も指摘できます。

一方で認知機能(IQの水準)が高いと、このような影響を受けにくいこともわかっています。
(他にも高齢者である程、衆愚に陥りやすいこと、若くてもITリテラシーが低い場合には同様であることがわかっています。)

つまり、集団の中に、衆愚に陥りやすい人と、陥りにくい人が混在している、ということです。

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「集合知」は正しくは「自分に自信がある人の知」

それでは、どのようにすれば集合知の力を活用できるのでしょうか?

スペインのカハール研究所の研究チームは、集合知に含まれるバイアス、つまりは衆愚を除去し、集合知を活用するための研究を行いました。

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研究チームは被験者に「スイスとイタリアの国境の長さを推定して下さい。」という課題を与えました。

そして、この課題に取り組んだ被験者には、他の被験者の回答が提示され、再度課題に取り組みます。

ここで、他の被験者の影響を受けにくい人と受けやすい人にわかれます。

この影響を受けにくい人達(独立した考えを持つ人達:言い換えると自分に自信がある人達)の意見を集約すれば適切な集合知になる、と研究者たちは言及しています。

「私たちの結果は、グループの平均値、中央値、幾何平均値のような単純な演算では、グループが良い推定値を出すことはできないかもしれませんが、社会力学における個性を考慮したより複雑な演算を行うことで、より良い集団的知性が得られることを示しています。」

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現実に適用するには?

これらの知見を現実の世界で適用・活用するにはどうすれば良いでしょうか?

まず、何かしら人に意見を求める時に、情報を与え過ぎない、という点があげられるかと考えられます。
というのも、相手が他人の意見に影響を受けやすい人なのか、受けにくい人なのか、簡単に判別できるとは限らないからです。

グループディスカッション等を行う際にも、この点は十分な配慮が必要でしょう。
一部の声が大きい人の意見に他の人が左右されていてはグループディスカッションの意味がありません。
ディスカッションを少人数にグループ分けをする、1対1のヒアリングを行う等の工夫が必要です。

また、上述の実験を再現すれば、どの人が人の意見に左右されやすい人なのか、そうでない人なのかの識別が可能です。
これは仮想的にも可能で、グループディスカッションの経過をつぶさに観察していれば、途中で容易に意見を変える人が誰なのかがわかってきます。
(調和のために意見を変えたかのように振舞う人もいるので、その点は留意が必要でしょう。)

上記2つのような手続きを踏めば、他人の意見に影響を受けやすい人、受けにくい人のいずれの影響も回避して、集合知の力を活用できるようになるでしょう。
(書いていて、相当な配慮や観察力が必要であり、困難なことなのだ、ということもわかりました。その意味で冒頭に提示した記事も参考になるでしょう。)

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