散歩/ウォーキングはクリエイティブな発想を生み出す

生産性・業務効率化

散歩中、唐突にアイデアが閃いた経験を持っている方は多いでしょう。
多くのクリエイティブな偉人も、散歩を好んでいた人は実際に大勢いらっしゃいます。
そして、散歩/ウォーキングがクリエイティブな発想を生み出す、ということは科学的にも正しいようです。

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運動とクリエイティブな発想の関係

スタンフォード大学の研究者が運動とクリエイティブな発想の関係について調査しました。

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実験では176名の大学生や社会人を対象に、創造的思考を測定するためのタスクを実施しました。

実験では、トレッドミル(ランニングマシン)を使用した屋内での歩行、(車いすを利用した)屋内で着座したままの歩行、屋外での歩行、屋外での車いすを利用した歩行、という条件が設定されました。
また、着座したままや、歩いた後に車いす利用など、様々な組み合わせが設定され、創造性を測定するタスクが行われました。

創造性を測定するタスクは、(4つの実験が行われ、その内)3つの実験で発散的思考が行われました。
発散的思考とは、多くの可能性のある解決策を探ることで創造的なアイデアを生み出すための思考プロセスや手法のことです。
この実験では、与えられた物に関して、別の用途を考え、また他の被験者が発想していないものを新規性のある回答とするとともに、回答が適切であるかも評価されました。
4つ目の実験では、質問されたフレーズから複雑な類推を行うタスクが課されました。

その結果、3つの実験で、歩いている時の方が(例えトレッドミルであろうと)、創造的な成果が平均60%も増加することが示されました。
また、4つ目の実験でも、歩いている人の100%が1つでも斬新な例えを出せたのに対し、着座したままの場合、50%ほどの被験者が質の高い例えをだすことができませんでした。

つまり、どうやら散歩/ウォーキングはクリエイティブな発想を生み出すのは、科学的に正しいようだ、と言えそうです。

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ただし「発散」に限る

ただし、上述の知見は留意点があります。

ブレインストーミングのような「発散」には効果があっても、「収束」や「集中」には効果がないようなのです。

研究では、被験者に単語連想課題(3つの単語を組み合わせて複合語を作る課題で、洞察力や集中力を測定するために使われる)を課した所、歩くグループは着座グループと同程度、もしくは軽度に悪い結果が示されました。

また、因果関係が不明である点や創造性の上昇効果が他の運動ではどうなのか?等、わかっていない点が多くあることにも留意が必要です。

ただ、別の研究でも、適度に疲労していたり気が散った環境の方が、「発散」の面でプラスであることが示されています。

The Inspiration Paradox: Your Best Creative Time Is Not When You Think
Morning people have more insights in the evening. Night owls have their breakthroughs in the morning

こちらの研究では、「少なくとも革新的なアイデアや創造的な解決策を求める人にとって、最高の状態でパフォーマンスを発揮することは過大評価されているかもしれません。」としています。


これらの知見を現実の仕事において適用するとしたら、「収束」や「集中」を要するタスクは、パフォーマンスが可能な限り良い状態に行い、「発散」に関連するタスクについては多少の疲労がある状態や気が散るような状態に行うことが良い可能性がある、と言えます。

1日のスケジュールの組み方に、一考を入れる価値があるかもしれません。

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