世の中には怒りっぽい人が、それなりの割合で存在します。
そして、怒りっぽい人は過去の失敗から学ばず、次につなげられない可能性があります。
他人を変えるのは難しいですが、自分を変えるのであれば自己努力で可能です。
自覚がある人に向けて改善のためのヒントを提示します。
怒りっぽい人は自分で思っているよりもIQが低いかもしれない
ポーランドのワルシャワ大学で、怒りっぽいこととIQ(認知能力)の関連性について研究が行われました。
実験では合計528人を対象に、アンケート調査が行われた後、IQテストが実施されました。
アンケートの内容は、短期であるかどうか、どれくらい怒るのかといった性向(性格)を調べるものです。
加えて、自分自身の知能についても自己評価する内容が含まれていました。
その結果、怒りっぽい人は、自分自身が実際よりも賢いと認識している傾向があることが示されました。
また、このIQの過大な自己認識はナルシシズムが関連していることも示されました。
つまり、怒りっぽい人は、自己愛傾向があるが故に、自分自身の能力を過大評価している傾向がある、ということです。
(なお、ナルシシズムと言っても、尊大気質と神経症気質のものがあり、尊大気質の場合に上述傾向が見られる一方、神経症気質の場合、逆に過小評価する傾向があることも示されています。)
ナルシストと後知恵バイアスの話
怒りっぽいこと自体が決して望ましいことではないのは確かであり、改善が望まれます。
加えて上述の、自己評価が過大になる、という点も見過ごせません。
こちらの記事で記述したのですが、「自己愛性向が強い、つまりナルシストは自分の予測の精度が悪かったとしても、異なる選択をすべきだったと認める傾向が弱い」ことが示されています。
また、「上手く行った場合に“勝者の気分”になる傾向が強い」ことも示されました。
つまりは、「ナルシストの傾向がある人は、上手く行ったら自分の手柄であり、上手く行かなかったら自分のミスではない、という反応を示す傾向が強い」ということであり、「研究者はナルシストは失敗を反省し、学ぶ能力が低下している」としています。
これは非常によろしくないことです。
言いたいこと~自覚ができるなら改善ができる~
ここで言いたいのは、怒りっぽい他人がどうのこうの、という話ではなく、もし仮に自分自身が怒りっぽい人間であるならば(自覚が少しでもあるならば)、自己改善に取り組みませんか?という点です。
他人を変えるのは難しいですが、自分を変えるのであれば自己努力で可能です。
(他人のことは、「あぁ、この人は自尊心が高いだけの〇〇なんだな。」と思っておけばよろしい。)
必要なことは、改めて明確に自覚・意識をすることと、正確に知識を得ることです。
上述の記事では「後知恵バイアスというものの存在を知識としてしっかりインストールしましょう」と提案しています。
知っていれば、「あ、まずい。」と気が付く確率が高まるからです。
ここでの自覚・意識は「自分が怒りっぽい人間だ。」にあり、また知識は「怒りっぽい人間は自分を過大評価する傾向がある(その可能性がある)。」「ナルシストは反省し、学ぶ能力が低下している。」にあります。
字面だけ見るとかなりダサいので、明確に自覚・意識ができたのであれば、改善は近いのではないでしょうか。
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