【若い内からの認知症予防】コーヒーと認知症リスクの関係

仕事と健康,運動

運動と認知症リスクの関係は比較的よく知られています。
一方で、コーヒーと認知症リスクの関係は、あまり知られていないのではないでしょうか。
コーヒーは身体に良い、飲み過ぎは身体に悪い等、様々な話がありますが科学的にはどのような知見が示唆されているのでしょうか?

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カフェイン摂取は認知症リスクを下げる

まず、こちらの研究です。

Caffeine boosts enzyme that could protect against dementia
Researchers have identified 24 compounds -- including caffeine -- with the potential to boost an enzyme in the brain shown to protect against dementia.

マウスベースの実験室内の研究ですが、カフェインが認知症を予防する効果のある酵素の生産量を上昇させる効果があることを示しています。
研究では、認知症を予防する効果のある酵素が既に特定されている前提で、その酵素の生産量を上昇させる化合物は何なのかの調査が行われた結果として示されたものです。
また、特定の実験条件下に置かれたマウスにカフェインを投与すると、記憶力の改善という結果も出ました。

他にも、数千人~数十万人を対象にした大規模な調査で、コーヒーの摂取量が多い人は健康的に長生きできる傾向があること(長寿効果)、心疾患神経疾患、糖尿病などの疾病にかかりにくいことや、自殺率の低減(死亡リスクの低減)といった効果があることが、いくつかの研究で示されています。

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つまり、これらのことから、コーヒー(カフェイン)は身体に良い、と明確に言えます。

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飲み過ぎはよろしくないようだ

もちろんネガティブな面もあります。

リンク先の研究(外部PDF)では20歳から90歳までの約4万4千人を対象に、コーヒーの消費量やその他諸々の生活習慣(食事、運動、飲酒、喫煙等々)と死亡原因について調査が行われました。
追跡調査は、約32年に渡って行われています。

その結果、1日4杯以上のコーヒーを飲んでいた人は、それより少ない量のコーヒーを飲んでいた群より圧倒的に死亡率が高いことが示されました(平均1.5倍から2倍程度の死亡リスク)。

別の研究では(37歳~73歳の1万7千人を対象に行われた)、1日6杯以上のコーヒーを飲む人は、それ以外の群に比べて認知症リスクが約53%高まることが示されました。

Excess coffee: a bitter brew for brain health

つまり、過度なコーヒー(カフェイン)の摂取は身体に悪い、ということです。

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適切な量は?

それでは、適切なコーヒーの摂取量はどの程度でしょうか?

平均的なコーヒーのカフェイン含有量は約50mg~100mgです。

上述の研究を踏まえると、これが1日1・2本程度がベストであり、多くても3本以内が望ましいと考えられます。
(いくつかの医療団体が示すカフェイン摂取量の上限も大体400mg/1日としている。)

最近多いエナジードリンクの類ですが、次のようなカフェイン含有量となっています。

  • モンスターエナジー:142mg
  • レッドブル(250ml):80mg
  • リポビタンD:50mg

例えば、朝に1杯、昼に1杯、午後に眠気覚ましにモンスターエナジーを1本飲んだ場合、これで上限近くに達します。


コーヒーの覚醒効果による生産性向上効果はよく知られていますが、単純作業に限定される、という知見もあります。
(つまり、コーヒーを飲んて脳が覚醒したかのように感じても、実際の認知機能は低下したままで、高度な作業の生産性は向上しない。

加えて、プラシーボ効果でも覚醒効果はある、という知見もあります。
コーヒーの香りをかぐだけでも覚醒効果があるようだ!

これらを踏まえると、コーヒーは1日1・2杯程度に抑える、エナジードリンクを飲みたいのであればその日はコーヒーは飲まない、というのが現時点の総合的な知見では良いように思います。

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