孤独が好きな人は高い「知能」を持つ傾向がある、という話

フェルミ推定・ロジカルシンキング

興味深い研究があり、「知能」が高い人は一人、つまりは孤独を好む傾向がある、とされています。
多くの幸福に関する研究が、対人関係の充実と幸福に関連があることを示しています。
ただし、それは例外があるようで、「知能」という変数が影響を与えます。

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最初に補足:「知能」の種類

最初に補足をしておきます。

知能には様々な要素があります。

  1. 論理・数学的知能
  2. 博物学的知能
  3. 視覚・空間的知能
  4. 内省的知能
  5. 言語・語学知能
  6. 身体・運動感覚知能
  7. 音楽・リズム知能
  8. 対人的知能

このような知能が存在する中で、上述の「知能」は1~5のいわゆる「IQ」的な「知能」を指しています。

つまり、以降の話で言う「知能」の高低は、頭が悪いとか良いとか、そのような話ではないということは留意ください。

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孤独が好きな人は高い「知能」を持つ傾向がある、という研究

こちらの研究では、「知能」の高い人が友人等との付き合いを頻繁にすると、人生の満足度が下がる理由について説明しています。

Country roads, take me home… to my friends: How intelligence, population density, and friendship affect modern happiness
We propose the savanna theory of happiness, which suggests that it is not only the current consequences of a given situation but also its ancestral consequences...

その観点は、進化心理学に基づいたものです。
「知能」は、ある特定の課題を解決するための能力であり、「知能」の高い人は集団の中で仲間たちの助けを借りずに問題を解決することができました。

一方で、「知能」の低い人は、問題解決のために仲間たちと協力をすることが必要です。

そのため、進化の過程で、「知能」の高い人は孤独を好み、「知能」の低い人は誰かと一緒にいる方が幸福を感じるようになっていきました(というのが研究の主張)。

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「知能」と孤独、幸福の研究の概要

研究では、18歳から28歳までの15,197人にアンケート調査を行い、幸福度、知性、健康等について測定が行われました。
その結果、友人と付き合うと幸福になる、という傾向が示されました(人が密集している所にいると人は不幸になる、という傾向も併せて示されています)。

つまり、大多数の人にとって、友人との付き合いは幸福度の向上につながります。

ただし、上述の通り、「知能」の高さが例外を生みます。

詳細は「幸福のサバンナ理論/サバンナ幸福論/サバンナ理論」というキーワードで参照いただきたいのですが、現代の歪な社会構造(太古の時代には無かった人間関係の構造)では、不特定の知り合いでも無い人たちとの交流が求められます。
知り合い以上、友達未満のような関係性の浅い人間関係もです。

この環境は非常にストレスが多く(実際、都市部の方が地方よりもストレスが多いことが示されている)、高い「知能」は特定の方向に、この高ストレス環境に適応をしました。

それが孤独です。

「一般的に、高い知能を持つ人は、私たちの祖先が持っていなかった不自然な嗜好や価値観を持っている可能性が高いです。人間は友人関係を求めるのは極めて自然なことなのですが、その結果として知能の高い人は逆に友人関係を求めなくなる可能性が高いのです。」と研究者は言います。

ようは、自分を理解してくれる人が少なければ、一人でいることを好むのは自然なことなはず、ということです。

孤独はストレスのリセットにもなる

また研究により、「知能」が高い人は、交流関係から恩恵を受けていない(と感じている)にもかかわらず、「知能」が低い人よりも多くの人付き合いをしていることが示されています。

つまり、高い「知能」を持っている人は、孤独をストレスのリセット機能として活用しているのです。

高ストレス環境下にうまく適応する形で進化していると、研究者たちは言及しています。

加えて書くと、「知能」の傾向として、都市部の平均値の方が、地方の平均値より高いということもわかっています。
また、地方で産まれた「知能」の高い人は、その後都市部に移り住む傾向が高いこともわかっています。

忙しくて疎外感を受ける環境は、高い「知能」を持つ人にとって悪影響を与えない、ということです。


この研究は非常に興味深いものです。

誰かが一人でいるからと言って、その誰かが寂しい人だとか、本当に孤独だとは限らないのです。
加えて、高い「知能」を持っている人にとって、孤独は同時に高い生産性につながる時間を作り出します。

一方で、留意しなければならない点も多くあります。

上述の研究は、相関関係を示しただけであり、因果関係を示したものではありません。
人付き合いを好む人の「知能」が低い、とは限りませんし、そもそもとして知能には様々な種類があり、IQ的観点だけで語れるものではありません。

また、別の研究で、高い「知能」を持っている人は、同時に孤独の原因となるストレスを抱えやすい傾向があることもわかっています。

繰り返しますが、この話は良し悪しの話ではなく、傾向であったり、性質の話です。
「知能」に対する理解を深める題材として捉えると、世の中の見え方が拡がるかもしれません。

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