お一人様向けサービスは、外食の復活に良いのでは?

経営企画

数年前から「お一人様需要」という言葉がにわかに使われるようになり、2019年には「お一人様向け」のサービスが各業種から誕生していました。
コロナ影響により、下火にはなりましたが、ここ数ヶ月盛り上がりの兆しが出ています。
お一人様向けサービスは、特に外食の復活に良いのでは?という事を考えていきます。

Googleトレンド「お一人様」より
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お一人様向け外食検索サービス「ソロメシ」

今回、なんでこんな話題を出したのか?と言うと、株式会社ホーン、という会社から「ソロメシ」というサービスがリリースされていたのを見たからです。

おひとりさまグルメアプリ「ソロメシ」リリース!
株式会社ホーンのプレスリリース(2019年9月30日 17時47分)おひとりさまグルメアプリ「ソロメシ」リリース!

どんなサービスか?と言うと、「お一人様向け」の飲食店を検索できる、というまぁシンプルなサービスです。

「ソロメシとはおひとりさまの食事に特化したグルメアプリです。1人で食事に行く際に出る「今いる場所から近くのお店を知りたい」「1人で入れるお店を知りたい」「1人でも美味しい物を食べたい」というニーズにお応えします。」

という事ですね。

単価、5,000円以上の高価格帯に絞った「ソロメシプレミアム」というサービスも、併せてリリースされているようです。まだβ版のようですが。

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なお、日本国内の単身世帯数は年々増加を続けており、今後も増え続ける事は確実ですので、「お一人様」をターゲットとするのは、マクロ感としては非常に正しいです。
デモグラフィー(人口動態)は、数少ない「外れない」統計データですし。

みずほ情報総研「「単身急増社会」を考える」より
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「お一人様」での外食は躊躇する方が多い模様

なお、ソロメシのサービスサイトにも記載がありましたが、「恥ずかしい」等の理由で、「お一人様」での外食は躊躇する方が多いようです。

上記のアンケート調査では、男性では2割強、女性では4割前後の方が、一人で飲食店を利用するのが「恥ずかしい」と回答しています。

(全く、理解できん。というか40代男性、君らはなんだ?ただの独り言です。)

そんな形で、下記のような業態が「一人で入れる飲食店」として回答されています。
(下の方が逆に言うと「一人で入れない飲食店」。)

冒頭で紹介した「ソロメシ」は、飲食店全般をカバー、「ソロメシプレミアム」は下の方の料亭やフレンチ等をカバーしている感じですね。

なお、別のアンケート調査では、フレンチ専門店のような業態が「ひとりで行くことに抵抗感を感じる場所」として上位に位置しているので、マッチ感はあるように思います。

いずれにせよ、まぁまぁな種類の業態に対して、消費者は「一人では行きづらい」と感じているわけです。
「お一人様」向けに特化したサービスは、ニッチになるかもしれませんが、ポテンシャルは感じます。

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「お一人様」向けにサービスのカスタマイズはした方が良い

ここでポイントだと筆者が考えるのが、「お一人様」向けにサービスをカスタマイズする事です。

こういう場面で、飲食店がやりがちなのが「ただ単純に1人分の料理を用意すること」だったりします。
ようは、複数人に提供していた従来の料理について、シンプルに1人分を用意するだけにカスタマイズを留めてしまうのですね。

これまた別のアンケート調査になるのですが、下記のような点に関して、一人で行動する事に対するネガティブ感を感じているようです。

例えば、ソロメシプレミアムをベースに考えてみると、まずサービス自体で、一番上に来ている「おひとりさまでは入りにくいお店・場所がある」を何とかクリアできるかもしれません。

しかし、2番目以下は工夫が必要そうです。

2番目の「感想を言う相手がいない」に関しては、SNSでアップしやすいように、料理の提供時に「写真をとりますか?」といったお声がけをしてみる、料理の感想に対してコミュニケーションをとってみる、といった工夫が考えられます。

他にも、食べ方に関する丁寧な説明、何か仕切りや死角になるようなスペースで人の目を遮る、少量多種類の料理を提供する、といった形で、一人でも極力最大限に堪能できるような工夫を考えて、サービスのカスタマイズに取り組むのが良いのでは無いでしょうか。

一人行動が好きな人も存外多い

なお、これまでは「一人で飲食店に行くのを躊躇する」人を前提に話をしてきましたが、世の中には当然に一人行動が好きな人も大勢います。

Grapps「【アンケート】一人で外食できる? お一人様事情を調査!」より

単純に「お一人様」が苦手だ、という方の事を想定するだけでなく、「お一人様」が好きだ、という人に対して、楽しみを最大化するような工夫も同時に考えていくのが良いでしょう。


なんにせよ、直近の市況は外食産業にとって冬の時代です。
しかも、それはしばらく続きます。

ありとあらゆる方法、切り口で、顧客に来てもらう方法について考え、工夫を凝らしてくことが必須と言えます。

「お一人様」は、感染リスク的な意味では、非常に合致している利用方法ですし、改めて「お一人様」向けサービスを取り入れていくことは、外食の復活の一助になるかもしれません。

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