ブルーライトカット眼鏡は、2012年頃に急激にその人気を博し、今もなお根強いニーズがあります。
しかし、科学的にはどうなのか?という意見も(少ないながらに)存在していました。
そのような中、日本眼科学会の他、複数団体より、その効用についてネガティブな意見が出ました。
意見書概要
意見の背景は、ブルーライトカット眼鏡を販売している「JINS」が、子ども達にブルーライトカット眼鏡を無償配布する、と発表したことをうけてのものです。
(参考)「小児のブルーライトカット眼鏡装用に対する慎重意見」
https://www.gankaikai.or.jp/info/20210414_bluelight.pdfまず、大前提として、ブルーライトは可視光線の一部であり、デジタル端末の液晶画面から発せられるもののみならず、太陽光や電球の光にも含まれています。
つまり、日常的に浴びているものなのですね。
その中で、「夕方以降にブルーライトをカットすることには、一定の効果が見込まれる可能性はあります。」としつつも、その語調は“可能性”でしかないよ、としています。
意見書の概要は次のとおりです。
販売業者にとっては非常に手厳しい意見ですね。
- デジタル端末の液晶画面から発せられるブルーライトは微々たるレベルで人体に影響が無い
- 小児にとって太陽光は身心の発育に良いものであり、いたずらにブルーライトをカットすることは近視のリスクを高める可能性がある
- 海外の研究では、ブルーライトカット眼鏡に眼精疲労の軽減効果は無いと報告している
- 就寝前ならともかく、日中にブルーライトカット眼鏡を使用する有用性は根拠に欠ける
今後どうなっていく?
世の中のブルーライトカット眼鏡に対する関心度は次のような推移となっており、今もなお根強いニーズがあります。
(コロナ禍で、無駄に関心が高まった様子が見て取れます。)
しばらくは、ブルーライトのリスクを高く評価する層(もしくは、そもそも何も考えていずにブルーライトという用語だけに反応して購買している層)により、消費が支えられていくものと考えられます。
なお、既に似非科学としての地位を確立した“マイナスイオン”ですが、次のような関心度の推移となっています。
“ブーム”が完全に収束するのに、10年弱を要しています。
筆者個人としては、科学的に効果の無いにも関わらず科学的に効果があると謡っている雰囲気商品は、この世から無くなった方が良いと考えているので、ブルーライトに対する認識も早く広まって欲しいものです(筆者個人に実害がある話では無いのですが、生理的にダメなので。)(最初から効用もくそも無いよ、ファッションだよ、と謳っている商品については別に良いと思います)。
結論として、以前に記載した記事のとおりの内容と言えます。
「気にするな、ただし就寝前には電子機器を使わないようにしよう」
コメント