暖かいお風呂に入ることの効能は様々に知られており、認知症の予防や、睡眠の質の改善など、多岐にわたります。
冷たいシャワーを浴びることについても健康効果が知られており、病気になるリスクが減るという研究報告が出ています。
更に、冷たいシャワーを浴びると認知機能が向上する可能性についても報告がされています。
冷たいシャワーと認知機能の関係を調べる実験
ドイツの高齢者施設にて、冷たいシャワーと認知機能の関係を調べる実験が行われました。
皮膚刺激が認知機能に与える影響を、健康な老人ボランティアを対象に行われた形です。
実験では24名の被験者(男性1名、女性23名)を無作為に2つのグループに分け行われました。
実験群では10秒間、10度から12度の冷たいシャワーを浴びた後に、首筋に10度から12度のウェットバックを利用した刺激が1分間与えられました。
対照群は、同様の手順と時間ですが、34度から36度の温水と中間程度の温度で実験が行われました。
認知機能の測定には脳電位の測定により行われました(認知機能が関係すると考えられている脳波が計測されました)。
冷水刺激は認知機能を向上させる
実験の結果、冷水刺激により認知機能が有意に変化する結果が示されました。
冷水刺激を与えた後、CFFは刺激の10分後に32.55+/-2.26/秒(mean+/-SD)から33.06+/-2.25/秒(p = 0.003)に上昇した。30分後のCFFは32.95+-2.3秒(p=0.043)とまだ上昇していた。冷水をかけた後のP-300潜伏時間は、266.5+/-21.1msec(平均+/-SD)から253.7+/-16.9msecへと4.8%減少した(p < 0.001)。温かい刺激を与えた後は、258.69+/-14.8msecから266.17+/-20.1msecへと増加した(p = 0.01)。P-300の振幅は、寒冷刺激後にのみ5%(p=0.004)の有意な上昇を示した。
この実験は少数の高齢者を対象としたものであり、実際の効果の程や若年層に効果あるのか等、不明な点は多々あります。
ただ、健康効果の存在も併せて考えると、冷水シャワーの有用性が推測されます。
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