仕事中に何かしらの飲み物を横においている人は珍しくないでしょう。
このことは単純にのどが渇いた時の飲み物、という意味以上にパフォーマンス向上効果があることが一部の研究で示されています。
どうやら、タスク実行中に水を飲むとパフォーマンスが向上するかもしれないのです。
テストの成績と飲み物の関係を調べた研究
次の研究では、学生を対象に飲み物を飲む学生と飲まない学生で、テストの成績に差が出ることを示しました。
研究では、学生447人を対象に行われました。
71人は基礎学年、225人は1年生、151人は2年生です。
学生の内、水のボトルを持ってテストに臨んだ人は約25%でした。
そして、学生のテストの点数と、飲み物の持ち込み状況について関連付けて分析が行われました。
なお、研究では「テストの点数が高い優秀な学生は飲み物を持ち込む傾向がある」という可能性を排除するために、学生の成績に関して均一化して調査が行われています。
テストに飲み物を持ち込むと成績が上がる
調査の結果、飲み物を持ち込んだ学生は、持ち込んでいない学生と比較して平均4.8%、高い得点を得られました。
学年別には高学年ほど飲み物を持ち込む傾向があり、2年生は約31%、基礎学年と1年生は約21%の持ち込み率でした。
成績の向上幅としては、基礎学年が最大約10%、1年生では5%、2年生では2%の改善が見られました。
つまり、若年層ほど改善効果が高い、ということが示されています。
飲み物を飲むと成績が向上するのはなぜか?
飲み物を飲むと成績が向上するのはなぜなのでしょうか?
研究者は、次のような要因を指摘しています。
- 水分を摂取することで思考機能に生理的な影響を与え、その結果としてテストの成績が向上した
- 水分を摂取することで、テストの成績に悪影響を与えるネガティブな不安感が和らいだ
社会人にも有用なはず
上述の研究は学生に対して行われたものですが、社会人にも有用な知見と考えられます。
例えば会議中や締め切りが迫っているタスクの遂行中を想定すると、適切な水分摂取を行えれば、渇きによるパフォーマンス低下を防げるでしょうし、不安感が和らげば仕事に集中ができるようになるはずです。
特に、経験の浅い社会人や、入社したばかりの人において、効果があると考えるのは不自然ではありません。
実際、別の研究では甘い飲み物を飲むと攻撃性が和らぐ、ということが示されています。
水分摂取は非常に安価で手軽な方法です。
会議中や仕事中など、飲み物を持ち込むことを従業員の判断に委ねるのではなく、積極的に推奨するのはいかがでしょうか。
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