自宅のハンドソープが切れそうになり補充を、と思ったら、いつもの商品は売れ切れの様子。
他のハンドソープは残っていたのに、〇〇という言葉がつくと売上が伸びる模様です。
「〇〇」
〇〇がついただけで品薄になっている
次のグラフを見て下さい。
まず、これは「石鹸」というキーワードのGoogleTrendsの検索推移です。
それに対して「石鹸」というキーワードに、ある言葉が加わると、次のように変化があります。
2020年3月後半から劇的に検索数が伸びています。
そう、タイトルの〇〇は「薬用」です。
地域にもよるのでしょうが、検索数に比例して、「薬用」という名前が入った石鹸・ハンドソープの売上が伸び、品薄になっているようなのです。
実際の所、効果的にはどうなんだろう、、、?
こちらのグラフは、普通の石鹸と薬用石鹸で、どれだけ菌を落とせるのかを比較したグラフです。
除去率で換算すると普通の石鹸が約95%で、薬用石鹸が約98%と、確かに薬用石鹸の方が効果は高いのですが、実際の所は大差があまりありません。
多くの消費者は、この事実は当然知らないでしょうが、「薬用」という言葉がつくと、非常に高い効果があるような印象を持つのでしょう。
特に、今直近の状況もあるので。
これは別に良い悪いの話では無いです。
同じような効果があるのならば、少しでも売上があがるネーミングにするのは当然のことです。
そのため、実際どれくらいの宣伝効果があるのかは不明ですが、普通の石鹸の箱に「ウイルス除去に」とでも印刷するなりシールを貼るなりすれば、売上アップにつながるかもなぁ、と思った次第です。
キャッチの力
キャッチの力
ネーミングやキャッチコピーは、時折、おそろしい力を見せることがあります。
ここ最近でも、こんなツイートがバズっていました。
ベーグル専門店、つまりパン屋さんですが、緊急事態宣言前に冷凍保存が可能な旨を宣伝し、売上を伸ばした、という内容です。
上述の薬用石鹸・ハンドソープもそうなのですが、その時代、そのタイミングで適切なものを投下すると、爆発的な効果を発揮します。
薬用の場合は、そのまま成り行きで売上が伸びているだけでしょうけれども、それでも増産する商品のコントロールはできるはずです。
ちなみに普通のパンでも、冷凍すれば30日はもちます。
(追記)こんなのもありました。
如何にお客様に届けるか
「良いものを作っていれば売れる時代は終わった」と言われて久しいですが、未だ日本の多くの企業はマーケティングを軽視しているように見えます。
(もしくは、マーケティング部門という形だけの箱を作って、予算を消化するだけの部署になっている所が多い印象。)
消費者の中にも、広告を毛嫌いしている人は大勢います。
しかし、マーケティング(広告)があるからこそ企業は消費者に自社の価値を正しく伝えることができるし、消費者は、世の中にこんな商品があるんだ、ということを知ることができます。
マーケティングや広告は、何も動画の合間にうざかったりくどかったりするCMを流したりとか、テカテカしていて結局何を言いたいのかわからないチラシを作るとかだけではありません。
上記がその好例です。
今回あげた例は、極めて身近な、しかもシンプルな例です。
ヒントや気づきというものは、結構あちらこちらに転がっているものです。
薬用石鹸の件は、改めてそのことを考えさせられました。
何を当たり前のことを言っているんだ、と受け取るか、ちょっとしたことからでも示唆を得ようとする心意気でいるか。
「如何にお客様に届けるか」という気持ちがあるならば、後者の姿勢であるべきでしょう。
コメント