鳥貴族の回復が他居酒屋より早い理由

経営企画

当サイトでも触れていますが、外食産業が新型コロナウイルス影響は甚大なものです。
特に、居酒屋系業態のダメージは著しく、直近2020年7月でも前年比50%前後の所が多いです。
一方、鳥貴族は回復が早く、既に前年比約77%にまで回復しています。
そのポイントは何なのでしょうか?

~参考~

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居酒屋売上高前年比

まず、居酒屋3社の既存店売上高前年比推移をご覧ください。

この3社は例ですが、他の会社も概ね3月~5月は大きく落ち込んで、6月7月で少しずつ回復している、という推移です。

その中で、鳥貴族の回復は著しく、2020年7月では76.8%の着地となりました。
これは、非常に凄い事だと感じます。
(それでもまだ76.8%なのですが。。。)


参考までに、居酒屋、ディナー系レストランを含む多業態系の会社の既存店売上高前年比推移も示しておきます。
やはり、多業態系はリスクヘッジの観点では良いのですね。

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鳥貴族は顧客満足度が高い

鳥貴族は元々、顧客からの支持が強い会社でした。

こちらは「居酒屋チェーンの総合満足度評価」です(2020年8月公表)。

こちらは「低価格が魅力的な居酒屋チェーンランキング」です。

FNN gooオンライン調査 「1位は均一価格にこだわった「鳥貴族」! gooランキングが「低価格が魅力的な居酒屋チェーンランキング」を発表」より

このように、複数のアンケート調査で高評価を得ているのが鳥貴族です。

(なお、別に回し者では無いです。)

付け加えると、㈱鳥貴族は、早々に全店休業を行うなど、誠実性の高い対応を行っています。
(臨時休業対応は、結局、緊急事態宣言が明けるまで継続されました。)

㈱鳥貴族 リリースより
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何が支持されている?

それでは、どのような点が顧客から支持されているのでしょうか?

前述のアンケート調査の本文を引用してみましょう。(強調は筆者)

1位には、創業以来「均一価格」にこだわり、焼き鳥はもちろんドリンクも含めて298円(税抜)で食べられる「鳥貴族」が輝きました。
2017年に「280円均一」から「298円均一」へと値上げが行われましたが、国産鶏肉を使用した大ぶりな焼き鳥やつくね、手羽先がお財布に優しい価格で食べられるのは居酒屋好きには何ともうれしいですよね。
すぐに出てくる「スピードメニュー」の枝豆やキャベツもとことん品質にこだわるなど、手抜きをしないところに人気の秘密がありそうです。

低価格が魅力的な居酒屋チェーンランキング

なるほど、低価格、均一価格、加えて国産鶏肉を使用、という所がポイントなのだそうです。
確かに、コロナ不況の今、お財布に優しい、明瞭会計なのは消費者心理的にありがたいでしょう。

別の記事では「コスパ最強」というようなタイトルもつけられています。

さらに別の記事では、店舗で肉をカットし、手打ちで串を準備している様子も掲載されています。

NHK 鳥貴族 “驚き”で逆風に立ち向かう より

さらに付け加えると、「串モノ」という点もあげられると考えられます。
普通の居酒屋では、料理が一つの皿に盛り付けられており、取り分けて食べるのが一般的です。
一方、串料理は取り分けが必要ないので、ウイルス感染のリスクが低いことが指摘できます。

これらをまとめると、次の3点がポイントかと考えられます。

  • 低価格で298円均一でコロナ不況でも財布に優しい
  • 高品質で高コスパ(国産鶏肉を手打ち)
  • 串単位で食べられるので感染リスクも低い(とりわけ不要)

ようは、長年、真面目に営業をされてきており、元々支持されていると。
そのような状況で、時世にあった商品をたまたまだけれども提供できている、という点が今回の回復の早さにつながっているものと考えられます。


2020年8月24日の日経新聞記事(外食の客足、復活の3条件 全国1万店データ分析)によると、下記の3条件が客足が戻るのが早いということです。
確かに鳥貴族は、ビジネス街だけでなく住宅街にも展開していますし、少人数対応していますね。
(原則、ランチは実施していないようですが。)

  • ランチ
    住宅街立地
    少人数

一方、店舗休業を小出しにしたりしてきたチムニーは、むしろ直近の数字の方が落ちています(冒頭のグラフをご参照ください)。
(なお、チムニーは、過去に株式市場を混乱させた案件があったりします。)

悪く言うのは忍びないのですが、経営における誠実性が数字に表れた結果なのだと、両社を眺めていて感じます。

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