チャレンジを続け意欲的に活動を行っている人は、何歳になっても果敢に新しいチャレンジを行いたいものだ、と考えていることでしょう。
しかしながら、心理学的にも脳生理学的にも、年齢を重ねれば重ねる程、リスクを回避する傾向が強まります。
年齢を重ねるとリスク回避傾向が強まる
ピッツバーグ大学の研究チームの実験によると、年齢を重ねるとリスク回避傾向が強まることが示されています。
若年層と高齢層の意思決定戦略に関する研究によると、高齢層は若年層に比較して、潜在的損失に対するリスク回避傾向が強まる事が示されている。
これらの結果は、主にギャンブル実験により得られた知見である。
これらの実験では、記憶や学習に依拠する部分も有り、年齢によるリスク回避や意思決定の違いのみならず、加齢に伴う認知能力の低下が影響している可能性もある。
そのため、本研究では、より単純なくじ引き課題により、若年層と高齢層に対して、リスク回避行動について実験を行った。
同時に、経済学的な割引率についても調査した。
その結果、高齢層は若年層よりもリスク回避傾向が高く、また割引率も高かった。
つまり、将来の収入に対する期待値が低いことがわかった。
リスク回避傾向と割引率には弱い相関も認められた。
意思決定戦略に関して、神経の発達変化との相関を生涯にわたって調査することは有益であると思われる。
この結果は考えれば自然なことで、積み重ねてきたものや、守らなければならない取り巻く環境が多くなれば多くなるほど、保守的になっていくはずです。
その意味で、適切にリスク回避を行うことそのものは有益と考えられます。
問題なのは、過度にリスク回避に走り、新しいチャレンジも避けてしまうことです。
なお、心理学的な側面だけでなく、脳生理学的にも、加齢に伴い、新しい課題に対して取り組む意欲が低下することが示されています。
それではどうすれば?
結論から言うと、過度なリスク回避を抑制し、適切に新しいチャレンジを行うための方法論について、現時点でわかっていることはありません。
一部の研究によると、若年の内に適切なトレーニングを積むと、適切にリスクを取れるようになる、ということが示されています。
これが何歳まで通用することなのかは不明ですが、人生の中で最も若いのは今です。
気が付いた時に、適切にリスクを取るトレーニングを積むのは、(効果が薄いかもしれませんが)有用である可能性はあります。
また、“決め”の問題もあるのでは、と筆者個人は考えます。
自分は、何歳になってもチャレンジを続けるんだ、という風に人生の目標を決めてしまうのです。
これは、多くの高齢のチャレンジャー達も語っていることで、自分自身で長期的な目標を立て続け、実際に具体の行動にでることが、良いとしています。
リスク回避により得られる安心感と、チャレンジ意欲のバランスを取るためにも、決め打ちによる目標設定は有用なように思います。
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