消費者は社会的責任(CSR)投資を行っている企業の商品を安全で高品質と思う傾向がある

経営企画

ロジカルに考えたら、社会的責任(CSR)に対する投資を行ったとしても、企業の商品の安全性や品質を高めることにはつながらないとわかります。
しかし、消費者は、CSR投資を行っている企業の商品を、安全で高品質と思う傾向があるようです。

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社会的責任(CSR)投資がもたらすリスク軽減効果の研究

ミシガン州立大学の研究チームは、表題についての研究を行いました。

Beyond Warm Glow: The Risk-Mitigating Effect of Corporate Social Responsibility (CSR) - Journal of Business Ethics
Corporate social responsibility (CSR) positively impacts relationships between firms and customers. Previous research construes this as an outcome of customers’...

研究の参加者に対して、企業についての資料を読んでもらいます。
資料は2種類あり、CSR投資について触れたものと、触れていないものです。
この前提を踏まえ、参加者に対して、企業の商品を購入する際に考慮するリスクについて調査した所、CSR投資を行っている企業の商品に対して、安全で高品質であると考える傾向が強いことが示されました。

つまり、社会的責任(CSR)投資を行うことは、消費者に対する認知をポジティブに向上させる可能性があると言えます。

なお、この傾向は、経済的に芳しくなかったり、長期的に企業と消費者とが関係性を持つような商品の際に見られたとのことです。

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何故、このようなことが起きるのか?

従前、消費者は、いわゆる“善行”を積んでいる企業から、より多くの商品を購入したがる傾向が示されていました。

今回の研究は、単純に応援をしたい、というようなマインドだけでなく、認知をポジティブに向上させる可能性についても示しました。

どうやら消費者は、企業が社会的責任活動に企業のリソースを投入している様子を見て、自分たち顧客に対しても長期的リレーションシップを構築するための投資を行うのであろう、と推測するようです。

経営者は、このような消費者の認知傾向があることを踏まえ、CSR投資を行うことについての意思決定を行うのが良いと言えるでしょう。


なお、この認知をポジティブに向上させる効果ですが、どのような事業について影響するかはわかっていません。
例えば、タバコ産業やギャンブル産業等、あまり消費者に好ましく思われていない企業についても効果があるのか?という点については課題があると、研究者も言及しています。

また、CSR投資を一種の事業投資と見做した場合の回収期間についても、わかっていることはありません。

これらの点も踏まえて、この知見を捉え、CSR投資に活用するのが良いと考えられます。

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