一流のスポーツ選手がガムを噛んでいる姿はありふれた光景です。
いわく、集中力が高まるから、ということなのですが、どうやらそれは科学的に正しいようです。
複数の研究により、ガムを噛むことにより、認知機能や集中力が高まることが示されています。
ガムと認知機能の関係
セントローレンス大学では、159人の学生を対象に、ガムと認知機能の関係を調べた実験が行われました。
内容は、半分の学生はガム(無糖のものと加糖のもの)を噛むグループ、残り半分は何も与えられない対照群として設定し、難しい論理パズルを解くなどの認知機能を測るものです。
実験の結果、テスト前に5分間ガムを噛んだグループは、対照群と比較してほとんどのテストで有意にテストの結果が優れていたことが示されました。
ガムを噛むと認知機能が向上する
実験では6つのテストが行われ、5つのテストで認知機能の向上が見られ、残り1つの例外は「動物」などの与えられたカテゴリーからできるだけ多くの単語を挙げるように指示された「言語能力」を測るもののみでした。
噛むガムは無糖でも良い
なお、ガムが無糖であるか、加糖であるかは関係がなく、ガムに含まれている糖分が認知機能に与える影響ではないことが示されています。
つまり、ガムが認知機能を向上させる理由は、咀嚼により誘発される覚醒作用だ、ということです。
ただし、効果は20分間のみ
実験では、ガムを噛むことにより向上する認知機能について時間経過の影響も調べられています。
その結果、認知機能の向上はガムを噛んだ後の約20分間に限定されることがわかりました。
20分が経過した後は、ガムを噛んでいない対照群と同じ成績に落ち着いたとのことです。
ガムを噛むのは、大事な仕事や難しい仕事がある直前5分間とし、バシッと集中して物事にあたるのが吉と言えるでしょう。
タスク実行中に水を飲むとパフォーマンスが向上する、という研究もあります。
うまく組み合わせると、高いパフォーマンスを維持し続けられるかもしれません。
他にも集中力の向上やメンタルの安定効果がある
他にもガムを噛むことにより、様々なポジティブな影響があることが報告されています。
例えば、コベントリー大学で行われた研究では、ガムを噛んでいる人は眠気が劇的に減少し、集中力が向上する効果があること。
カーディフ大学で行われた研究では、、明らかに不快で集中力が妨げられる環境に置かれていても、ガムを噛むことによりメンタルが安定すること、が示されました。
ガムをくちゃくちゃ噛んでいる光景は、人によっては不快に感じるかもしれませんが、その効果の程を考えると一概に切って捨てるのはナンセンスと言えるかもしれません。
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