長時間労働は認知機能や記憶力の低下を招く

生産性・業務効率化

長時間労働が身心にダメージを与えることは広く知られており、日本においても「働き方改革」の名のもとに長時間労働の是正が各所で進められています。
フィンランド産業保健研究所の研究によると、長時間労働が健康被害をもたらすだけでなく、認知機能や記憶力の低下を招くことが示されました。

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長時間労働と精神機能との関連を調べた研究

フィンランド産業保健研究所は、長時間労働と精神機能との関連について次のような研究を行いました。

研究ではイギリスの中年の公務員2,214人を対象に行われています。

1997年から1999年、また2002年から2004年にかけて、2回の調査が行われ、被験者は5種の精神機能を測定するテストを受講しました。

その結果、週55時間以上働いている人は、標準的な労働時間の労働者に比べて、推論力と語彙力を評価するテストのスコアが低いことがわかりました。

そしてこの影響は累積的なもので、残業時間が多い人ほどスコアが低いことが示されました。

つまり、より高い生産性を求めるためにハードワークを行うことは、結果として生産性を下げることにつながるのです。

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なぜ長時間労働が精神機能に悪影響を与えるのかは不明

ただ、なぜ長時間労働が精神機能に悪影響を与えるのかはわかっていません。

研究者は、長時間労働の結果として、睡眠障害の増加やうつ病、不健康なライフスタイル、心血管リスクの上昇等が起き、これらにより引き起こされるのでは?としています。

つまり、ストレスを受けた結果として、巡って精神機能である認知機能や記憶力に悪影響を与えるのでは、ということです。

ストレス過多な状態が続くと「性格が悪くなる」ことも知られており、その結果として職場がギスギスして生産性がさらに低下することも容易に想像できます。

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アルコール摂取量も増える

長時間労働の労働者は、標準的な労働者に比べて、アルコール摂取量が多いこともわかっています。

過度なアルコール摂取は健康被害をもたらすことも広く知られており、長時間労働が負のサイクルを生み出す要因になることが容易に推測できます。

研究者は、長時間労働を強要することは実際にはビジネスのためにならないということを経営者に伝えるべきだ、としています。

従業員が仕事と生活のバランスをうまく取れるようにすることは、ビジネス上の意義があるのです。

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