サブスクリプションの管理会計④~KPIの重要性~

経営企画

今回はサブスクリプション/SaaS系ビジネスにおけるKPIの重要性について解説していきます。
前回のサブスクリプションの管理会計③~KPIの解説~とセットで見て下さい。

前回は↓

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KGI、KPI、KAIについて

KPI(Key Performance Indicator:重要業績指標)とは、ビジネスを行う上でのキーとなる、重要な経営指標のことです。
経営の現場では、目標(KGI:Key Goal Indicator)を達成するための、その進捗、達成度合いを測る指標となります。

適切なKPIが設定させる事により、成長や改善のための企画や施策が練られ、そしてそこから具体的な活動を導き出す事につながり得ます。
この具体的な活動をKAI(Key Action Indicator)と呼びます。

構造としては次のようなイメージですね。

プレジャーサポート㈱「明確な指標をつくり、成果をあげるKIマネジメント。」より
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サブスクリプション/SaaS系ビジネスでなぜKPIが重要か?

これまで見てきた通り、サブスクリプション/SaaS系ビジネスは、事業モデル的に従来のBS・PL・CFといった財務諸表だけでは業績を見通すのがやり辛く、一方、KPIにより将来の収益シミュレーションを立てやすい、という性質があります。
また、成長のためのプロセスがマーケティング→インサイドセールス→フィールドセールス→カスタマーサクセスと、明確なフローになっておりKPI管理をしやすい点も指摘できます。

ようは、サブスクリプション/SaaS系ビジネスとKPIの親和性が極めて高いのです。

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自分たちなりのKPIを設定する事が重要

さて、前回でも示した通り、サブスクリプション/SaaS系ビジネスにおけるKPIはある程度、ノウハウが蓄積されており、一般化されています。

しかし、一口に同じサブスクリプション系だと言っても、会社ごとに取り組んでいる事業もターゲットとしている顧客も異なります。

BtoBなのかBtoCなのか。
デジタルベースで完結する物なのか、それとも実物の商品や人を介在するサービスがあるのか。

ようは、自分たちなりのKPIを設定し、模索し続ける事が重要です。

ここで「続ける」と表現したのは、会社の成長フェーズによっても変わるからです。

例えば、CACという指標は、一般的に会社の成長フェーズがあがればあがるほど、悪化していくのが一般的です。
とすると、ブランディングにかけていた経費に関してはCACの算出前提から取り除き、マーケティング経費とは別管理する(別のKPIを設定する)という判断もありうるでしょうし、CACの目安(目標とする予算)自体を調整し、追いかける数字を変える、という判断も考えられます。

KPIの設定を誤ったり、見直しを怠ったりすると、事業の成長にマイナスの影響が起きる可能性が高いです。

  1. 事業内容とKPIの整合性・親和性
  2. 自分達の成長フェーズ

この2点に関しては、十分に認識の上、KPIを考えていく事が肝要です。

(参考)

ベンチャー企業が良く使う指標として、TAM/SAM/SOMという物があります。
これについては、次の記事を参考にしてください。

KPIに関連して「OKR」という物も良く使われます。

これに関しては次の記事も参考にしてください。


今回は、前回のサブスクリプションの管理会計③~KPIの解説~が、気持ち長めだったので、一旦これで切ります。

次回は、サブスクリプション/SaaS系の上場企業の開示資料を参照しながら、KPIの具体例を眺めていきます。

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