ここでは取締役会議事録の「定時株主総会を招集する場合」の書き方例について解説します。
IPO進行上、適法な招集と実際の取締役会運営は、必須です。
取締役会運営上も、議事録に記載がある通りに進行するようにしましょう。
取締役会議事録テンプレート
取締役会議事録
下記の通り、取締役会を開催した。
開催日時:YYYY年MM月DD日hh時mm分
開催場所:当会社の本店会議室
出席者:代表取締役 hogehoge(議長兼議事録作成者)
取締役 hogehoge
hogehoge
hogehoge
hogehoge
監査役 hogehoge
hogehoge
hogehoge
欠席者:取締役 hogehoge
定刻hh時mm分、代表取締役hogehogeは定款の定めにより議長となり、開会を宣した。
報告事項
① 月次業績報告
議長より別紙の通り、〇月度の月次業績報告があった。
(中略)
.....など詳細な説明があった。
(意見、質疑応答の要旨)
ア.質問内容を記載(取締役 hogehoge)
イ.回答を記載(代表取締役 hogehoge)
ウ.以下略
エ.
オ.
② hogehogeの件
(略)
(意見、質疑応答の要旨)
特になし
書き方のポイント
ここまでは議事録テンプレート部分です。
以下の決議事項からが、定時株主総会を招集する場合の書き方例になります。
決議事項
第〇号議案 第〇回定時株主総会招集の件
議長より、当会社第〇回定時株主総会に関し、以下の通り招集したい旨の説明があった。
また、株主総会参考書類に記載すべき事項については、別紙の招集通知のとおりとし、軽微な修正については代表取締役に一任いただきたい旨の説明があった。
議長がその賛否を議場に諮ったところ、本議案は満場一致をもって原案どおり承認可決された。
記
日時 YYYY年MM月DD日hh時mm分
場所 当会社の本店会議室
会議の目的事項
報告事項
1 第〇期(YYYY年MM月1日からYYYY年MM月DD日まで)事業報告の内容、連結計算書類の内容ならびに会計監査人および監査役会の連結計算書類監査結果報告の件
2 第〇期(YYYY年MM月1日からYYYY年MM月DD日まで)計算書類の内容報告の件
決議事項
第1号議案 〇〇〇〇の件
第2号議案 〇〇〇〇の件
(以下略)
(意見、質疑応答の要旨)
(省略)
書き方のポイント
取締役会設置会社においては、株主総会を招集したい場合、取締役会において決議します。
また、株主総会の事項についても取締役会の決議で決定します。
通常、送付する招集通知を別紙として添付することが多いです。
ここの手続きが漏れている場合、最悪、株主総会の決議取消しの訴えの事由となりますので、注意が必要です。
軽微な修正については、代表取締役、つまりは事務局側に一任する形としています。
これは、招集通知に修正が入った場合、その都度、修正の決議をとらなければいけない事態になるのを避けるためです。
IPO進行上、取締役会で決議した招集内容と、実際の招集内容に差異がある場合、望ましくない状況になる場合があります。
会社法上、株主総会の目的事項については当該事項を定める、とされているためです。
以上をもって本取締役会の議事を終了したので、議長は閉会を宣し、hh時mm分に散会した。
上記の決議を明確にするため、この議事録を作成し、議長並びに出席取締役及び監査役は記名押印する。
YYYY年MM月DD日
株式会社〇〇〇〇 取締役会
議長 代表取締役 hogehoge 印
取締役 hogehoge 印
取締役 hogehoge 印
取締役 hogehoge 印
取締役 hogehoge 印
監査役 hogehoge 印
監査役 hogehoge 印
監査役 hogehoge 印
関連法令等
会社法
(株主総会の招集)
第二百九十六条 定時株主総会は、毎事業年度の終了後一定の時期に招集しなければならない。
2 株主総会は、必要がある場合には、いつでも、招集することができる。
3 株主総会は、次条第四項の規定により招集する場合を除き、取締役が招集する。
会社法
(株主総会の招集の決定)
第二百九十八条 取締役(前条第四項の規定により株主が株主総会を招集する場合にあっては、当該株主。次項本文及び次条から第三百二条までにおいて同じ。)は、株主総会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 株主総会の日時及び場所
二 株主総会の目的である事項があるときは、当該事項
三 株主総会に出席しない株主が書面によって議決権を行使することができることとするときは、その旨
四 株主総会に出席しない株主が電磁的方法によって議決権を行使することができることとするときは、その旨
五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項
(中略)
4 取締役会設置会社においては、前条第四項の規定により株主が株主総会を招集するときを除き、第一項各号に掲げる事項の決定は、取締役会の決議によらなければならない。
会社法施行規則
(招集の決定事項)
第六十三条 法第二百九十八条第一項第五号に規定する法務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。
(以下略)
会社法
(株主総会等の決議の取消しの訴え)
第八百三十一条 次の各号に掲げる場合には、株主等(当該各号の株主総会等が創立総会又は種類創立総会である場合にあっては、株主等、設立時株主、設立時取締役又は設立時監査役)は、株主総会等の決議の日から三箇月以内に、訴えをもって当該決議の取消しを請求することができる。当該決議の取消しにより株主(当該決議が創立総会の決議である場合にあっては、設立時株主)又は取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。以下この項において同じ。)、監査役若しくは清算人(当該決議が株主総会又は種類株主総会の決議である場合にあっては第三百四十六条第一項(第四百七十九条第四項において準用する場合を含む。)の規定により取締役、監査役又は清算人としての権利義務を有する者を含み、当該決議が創立総会又は種類創立総会の決議である場合にあっては設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役)又は設立時監査役を含む。)となる者も、同様とする。
一 株主総会等の招集の手続又は決議の方法が法令若しくは定款に違反し、又は著しく不公正なとき。
二 株主総会等の決議の内容が定款に違反するとき。
三 株主総会等の決議について特別の利害関係を有する者が議決権を行使したことによって、著しく不当な決議がされたとき。
2 前項の訴えの提起があった場合において、株主総会等の招集の手続又は決議の方法が法令又は定款に違反するときであっても、裁判所は、その違反する事実が重大でなく、かつ、決議に影響を及ぼさないものであると認めるときは、同項の規定による請求を棄却することができる。
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