現代は多くの人が都市部に住むようになり、自然は身近なものではなくなりました。
自然には人の緊張した神経を落ち着かせ、疲労を癒す効果があるとされています。
また、どうやら自然に触れ合うと認知機能やクリエイティビティが向上するという効果もあるようです。
自然に身を置くとクリエイティビティが向上する
カンザス大学で行われた研究では、人里離れた場所でのハイキングがクリエイティビティにどのような効果を与えるのか、調査が行われました。
その結果、バックパッカーにトレイルに入る前と入った後で、クリエイティビティに関するテストを行った所、テストの結果が約50%も向上したことが示されました。
自然は、虫や温度・湿度等、不快に感じる環境ではあるのですが、脳にはポジティブな影響を与えるようです。
研究では、自然に身を置いて3日間で、ポジティブな影響がピークになる、としています。
緑の中を散歩するとメンタルが回復し、認知機能も向上する
他の研究でも同様の効果が示されています。
ミシガン大学で行われた研究では、大学生にGPS受信機を装着した状態で散歩をしてもらいました。
樹木園を歩く学生も入れば、繁華街を歩く学生もいました。
その後、複数の心理テストを受けてもらいました。
その結果、自然の中を散歩した人は、メンタルがポジティブに向上し、注意力や短期記憶の点数が有意に向上していることが示されました。
短い時間でも良いので緑を眺めると休憩になる
別の研究では、短い時間でも緑を眺めるだけで生産性が向上する、という結果も示されています。
これらの研究は、都市部に身を置いている人に限定された効果かもしれません。
しかし、現代人の多くは大なり小なり自然と身近でない人の方が多いでしょう。
そんな現代人にとって、定期的な旅行やちょっとした散歩、もしくはほんのちょっとの短い時間の休憩でも良いので、自然に触れ合うことは様々なポジティブな影響があるということです。
「サバンナ理論」によると、人間は太古の昔から基本的な性質は変わっていない、とされています。
サバンナ理論:人間の脳は、はるか昔アフリカのサバンナで暮らしていた頃から基本的に変わっておらず、現在でも、サバンナになかったものはうまく認識できないという。
現代人の、テレビやポルノへの反応にも、この原則が当てはまる。テレビについては、画面に映っている映像がつくりものに過ぎないことが、われわれにはわからない。サバンナにはテレビなどなかったからである。
この原則を知能にあてはめたものが、「サバンナーIQ相互作用説」である。それによれば、大昔の祖先の環境(サバンナ)に存在しなかったものをどれだけ理解できるかで、知能の高低を説明することができる。
音楽を例に挙げれば、楽器の演奏(とくにクラシック)に惹かれる人は、知能が高い傾向にある。サバンナには楽器などなかったからである。音楽の起源は「歌」(声を出すこと)だったと考えられている。
また書かれた文章、活字に惹かれる人も同様である。そのほか、さまざまなことが、この説によって説明されるという。
Wikipedia「サトシ・ナカザワ」より
そして、認知能力が低い人にとって都市環境はストレス負荷が高い、とされている。
そのように考えれば、現代社会がデフォルトで、人にとってストレスフルであろうことは当然と言えます。
意識的に自然の中に身を置くことを意識すると良いでしょう。
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